商家「駒屋」田村家の伝来資料

 田村家には数多くの歴史資料が伝来しています。
 古文書は、主に二川宿の宿駅関係文書、村方関係文書、田村家個人の文書の3つに分けることができます。昭和63年と平成3年に豊橋市が行った調査で整理された3,139点が目録化されています。
 その他にも、9代当主田村幹皋や、その師である渡辺小華などの絵画、食器や道具類などがあります。
 また、改修復原工事着工前の平成26年9月に行った調査で発見された歴史資料も多数あり、順次整理を進めています。

継飛脚給米下付通達書(寛永10年(1633年))

 宿駅業務の費用に充てるために、毎年幕府から米が支給されるという証文です。東海道や中山道の各宿場へ出されました。二川の宿駅に関する原資料としては最古のもので、宿役人の長である問屋役に引き継がれてきたものです。

継飛脚給米下付通達書

継飛脚給米下付通達書

渡辺小華画「花卉図」(明治2年(1869年))

 商家「駒屋」の天袋にはめられていたと考えられる小襖です。田村幹皋の南画の師である、田原藩家老の渡辺小華が絵を描いています。本作品の他に、片面を幹皋が、もう片面を小華が描いた小襖もあります。

渡辺小華画「花卉図」

渡辺小華画「花卉図」

勝海舟書「二川学校」扁額(明治初年)

 明治6年(1873年)、二川の松音寺に開校された二川学校(二川小学校の前身)の入口に掲げられていた木製の額です。勝海舟が「二川学校」の文字を書いています。海舟と二川とのつながりは不明ですが、二川が元静岡藩領であったことから、同藩の政務を担当していた海舟に依頼したものと考えられます。

勝海舟書「二川学校」

勝海舟書「二川学校」